コーチにいつも言われている動き、何回やっても「何かしっくりこない!」と感じることはないでしょうか?それはあなたとコーチの身体的タイプが異なるからかもしれません。
4スタンス理論をご存じでしょうか?
4スタンス理論は廣戸聡一さんが提唱している身体理論です。ヒトは、カラダの使い方において各々の特性があり、それを4つのタイプ(A1、A2、B1、B2)に分類したものが4スタンス理論です。
様々なスポーツで〇〇流など流派や異なるやり方があるのも各々の特性があるからだと思いますが、この4スタンス理論の分類はかなり的を得ていると思います。
テニスにおいても4スタンス理論のタイプによってグリップの握り方や軸のポイントや稼働するポイントが異なります。
コーチによって真逆のアドバイスをすることがあるのも、タイプが異なることが大きく起因しているのではないかと思います。
これは私自身も思い当たる節があり、ピタっとアドバイスがハマる生徒もいれば、ハマらない生徒もいます。また、プロ選手や他のコーチの説明を聞いていて、これは私の中ではやってはいけない動きと感じることもあります。
そのため自身のタイプと異なるタイプへの指導は、なかなか難しいと痛感しています。
ただ、そういう4タイプがあって大まかな特性を知っているだけでも、動きのアンマッチが防げる可能性があると思いますので、ここでは簡単にですが、それぞれのタイプをご紹介します。
A1タイプの特徴
A1タイプのグリップ
指の方で斜めに人差し指と中指に力が入ように握ると安定して握れる。
A1タイプの軸ポイントと可動ポイント
- 「P2=みぞおち」、「P4=膝」、「P5=足底」の3点で軸を作る。P2のサブとして「P2’=両肘」。
- 「P1=首付け根」、「P3=股関節」、サブ「P1’=両肩」、サブ「P3’=両手首」が積極的な可動部位になる。
A1タイプの動きの特徴
- 身体を伸び上がらせながらのスイングが強いインパクトを生む。
- ボレーは肘を支点として手首を柔軟に動かす。肘は脇の近くで固定(軸ポイントであるみぞおちと肘が近づくことで安定)
A1タイプの有名選手
- ノヴァク・ジョコビッチ (Novak Djokovic)
- ヤニック・シナー (Jannik Sinner)
- ドミニク・ティーム (Dominic Thiem)
- スタン・ワウリンカ (Stan Wawrinka)
- マラト・サフィン (Marat Safin)
- ダニール・メドベージェフ (Daniil Medvedev)
- ステファン・エドバーグ (Stefan Edberg)
- ティム・ヘンマン (Tim Henman)
A2タイプの特徴
A2タイプのグリップ
指の方で真っすぐ中指と薬指に 力が入るように握ると安定して握れる。
A2タイプの軸ポイントと可動ポイント
- 「P2=みぞおち」、「P4=膝」、「P5=足底」の3点で軸を作る。P2のサブとして「P2’=両肘」。
- 「P1=首付け根」、「P3=股関節」、サブ「P1’=両肩」、サブ「P3’=両手首」が積極的な可動部位になる。
A2タイプの動きの特徴
- 身体を伸び上がらせながらのスイングが強いインパクトを生む。
- ボレーは肘を支点として手首を柔軟に動かす。肘は脇の近くで固定(軸ポイントであるみぞおちと肘が近づくことで安定)
A2タイプの有名選手
- ラファエル・ナダル (Rafael Nadal)
- 錦織 圭 (Kei Nishikori)
- ガエル・モンフィス (Gaël Monfils)
- ニック・キリオス (Nick Kyrgios)
- シモナ・ハレプ (Simona Halep)
- ジュスティーヌ・エナン (Justine Henin)
- 鈴木 貴男 (Takao Suzuki)
B1タイプの特徴
B1タイプのグリップ
手の平で真っすぐ人差し指と中指に力が入るように握ると安定して握れる。
B1タイプの軸ポイントと可動ポイント
- 「P1=首付け根」、「P3=股関節」、「P5=足底」の3点で軸を作る。P1のサブとして「P1’=両肩」。P3のサブとして「P3’=両手首」。
- 「P2=みぞおち」、「P4=膝」、サブ「P2’=両肘」が積極的な可動部位になる。
B1タイプの動きの特徴
- 身体を沈み込ませながらのスイングが強いインパクトを生む。
- ボレーは肩を支点として肘を柔軟に動かす(脇が空く)。
B1タイプの有名選手
- ピート・サンプラス (Pete Sampras)
- アンディ・マレー (Andy Murray)
- ステファノス・チチパス (Stefanos Tsitsipas)
- フアン・マルティン・デルポトロ (Juan Martín del Potro)
- マルチナ・ヒンギス (Martina Hingis)
- カルロス・アルカラス (Carlos Alcaraz)
- 西岡 良仁 (Yoshihito Nishioka)
- アンドレイ・ルブレフ (Andrey Rublev)
- セリーナ・ウィリアムズ (Serena William)
B2タイプの特徴
B2タイプのグリップ
手の平で斜めに中指と薬指に力が入るように握ると安定して握れる。
B2タイプの軸ポイントと可動ポイント
- 「P1=首付け根」、「P3=股関節」、「P5=足底」の3点で軸を作る。P1のサブとして「P1’=両肩」。P3のサブとして「P3’=両手首」。
- 「P2=みぞおち」、「P4=膝」、サブ「P2’=両肘」が積極的な可動部位になる。
B2タイプの動きの特徴
- 身体を沈み込ませながらのスイングが強いインパクトを生む。
- ボレーは肩を支点として肘を柔軟に動かす(脇が空く)。
B2タイプの有名選手
- ロジャー・フェデラー (Roger Federer)
- アレクサンダー・ズベレフ (Alexander Zverev)
- グスタボ・クエルテン (Gustavo Kuerten)
- キャスパー・ルード (Casper Ruud)
以上4つのタイプの特徴を簡単にですが、ご紹介しました。ここではシンプルに特徴のみを記載しています。4スタンス理論の考え方などは一切触れていませんので、4スタンス理論をもっと知りたい方は、以下の書籍がおすすめです。本書では4スタンス理論の考え方、それぞれのタイプの特徴をおさえることができます。
また、テニスにおいての4スタンス理論の本もあります。4スタンス理論に当てはめると、そういう解釈ができるんだと発見することがありました。
まとめ
4スタンス理論は廣戸聡一さんが提唱する理論で、ヒトの身体の使い方を4つのタイプ(A1、A2、B1、B2)に分類しています。
各タイプごとにグリップの握り方、軸ポイント、可動ポイント、動きの特徴が異なります。
自身のタイプを知ることで、動きのアンマッチを防ぐことができる可能性が高まります。具体的には自身のタイプを調べてみて、自身と同じタイプの選手の動きを真似てみることをお勧めします。
ちなみに私はB2タイプになるので、本ブログではB2タイプの記述が多いと思われますが、ご容赦ください。
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